奥赤坂の夜を歩く。銀座とは違う、路地の奥の静かな鮨の楽しみ方

監修|髙田 達央(奥赤坂 鮨 淡師 店主)

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奥赤坂は、赤坂駅の賑わいから坂をひとつ上がるだけで、街の音がすっと引く一帯です。料亭と花街の歴史が残る路地の成り立ち、銀座との違い、看板の小さな店を訪ねるときのこつ、そして食後の帰り道まで。東京の静かな側で過ごす夜を、順に案内します。

結論から

奥赤坂は、赤坂駅周辺の飲食店街から坂を上がった赤坂氷川神社のあたりに広がる静かな界隈です。大通り沿いのビルに店が集まる銀座と違い、路地の奥の小さな店で、一軒の中の時間をゆっくり味わう夜が似合います。

この記事でわかること

  • 奥赤坂と呼ばれる一帯の位置と、坂の多い地形
  • 料亭と花街の歴史が残した路地の作法
  • 銀座と奥赤坂の、店の構えと街の時間の違い
  • 看板の小さな路地の店を慌てず訪ねるためのこつ
  • 十月の江戸前のカウンターに並びやすい秋の魚
  • 食後の余韻を持ち帰る、夜の帰り道の過ごし方
目次

奥赤坂は、赤坂の大通りから坂を上がった先にある

奥赤坂は、地図に引かれた正式な地名ではありません。赤坂駅周辺の飲食店街から坂を上がり、赤坂氷川神社のあたりへ向かうにつれて街の音が引いていく一帯を、そう呼ぶ人が多いようです。

氷川坂や本氷川坂といった古い坂が残り、低い住宅と寺社のあいだに、小さな料理屋や鮨店が点々と灯りをともしています。駅前の賑わいから少し歩くだけで、夜の手触りがまるで変わります。

料亭の街が残した、路地の作法

赤坂は、古くから料亭と花街の街として知られてきました。いまも芸者衆が座敷に上がる街で、その名残は路地のつくりに表れています。黒塀や格子戸、玄関先の打ち水、表通りから少し引いた入口。店の名を大きく掲げず、暖簾ひとつで客を迎える店も少なくありません。

目立たないことを品とする考え方が、この界隈の店には今も息づいています。初めて訪ねると入口が分かりにくく感じることもありますが、それも含めてこの街の流儀です。

銀座の鮨と、奥赤坂の鮨

東京で鮨といえば、まず銀座を思い浮かべる方が多いでしょう。どちらが上ということではなく、街の性格が違います。

比べるところ銀座奥赤坂
店の構え大通り沿いのビルの上階や地下に入る店が多い路地に面した低い建物に入る店が多い
街の時間買い物や観劇の前後にも立ち寄りやすい食事そのものを目的に訪ねる人が多い
周りの音夜遅くまで人通りが絶えない日が暮れると住宅街の静けさに戻る
帰り道そのまま次の店へ流れやすい坂を下りながら余韻を持ち帰る
肝心なところ: 銀座は街ごと華やぎを楽しむ場所、奥赤坂は一軒の中で過ごす時間を楽しむ場所。その日の気分で選び分けると、東京の鮨の幅が広がります。

路地の店を訪ねるときの小さなこつ

路地の店は、車が入りにくい細い道に面していることがあります。タクシーなら大通りで降りて残りを歩くほうが、慌てずにすみます。十月は17時を過ぎると路地はもう暗く、看板の小さな店は見落としやすいので、出かける前に地図や入口の写真で目印を確かめておくと安心です。

江戸前の店では、暖簾が出ていれば営業中という合図であることが多いようです。到着は予約の五分前ほどが目安ですが、気負わなくて大丈夫です。遅れそうなときに一本連絡を入れておけば、カウンターの側も段取りを整えられます。

静かな界隈のカウンターで過ごす一夜

通りが静かな分、カウンターの内側の音がよく聞こえます。包丁がまな板に当たる音、煮きりを刷毛で引く手つき、シャリを握る指の動き。十月の江戸前のカウンターには、戻り鰹や秋刀魚、粒のやわらかいいくらといった秋の魚がしばしば並び、その仕事を間近で見られるのも小さな店ならではです。

奥赤坂の路地にある鮨 淡師も、檜のカウンター八席という小さな構えの店です。同店は、料理と日本酒、器や空間、会話までが重なって「また帰ってきたい」と思える時間を目指しているといいます。街の静けさは、そうした時間を支える器でもあります。

食後の余韻と、夜の帰り道

鮨のあとすぐに賑やかな通りへ出ないことも、奥赤坂の楽しみのひとつです。淡師では食事の締めくくりに、本格的な茶室で抹茶と季節の和菓子をいただけます。一服のあいだに、口の中も気持ちも静かに落ち着いていきます。

店を出たら、氷川神社の木々の脇を抜けて坂を下ってみても。秋の夜風はやわらかく、駅の灯りが見えるころには、食べたものの記憶がちょうどよく整っています。普段の外食とは少し違う、一軒で完結する夜の過ごし方です。

よくあるご質問

奥赤坂はどこにありますか?最寄り駅は?

正式な地名ではなく、赤坂駅周辺から坂を上がった赤坂氷川神社のあたりの静かな一帯を指して使われることが多い呼び名です。赤坂駅が近く、店の場所によっては六本木駅や溜池山王駅からも歩けます。

東京で鮨を食べるなら銀座と赤坂どちらがいいですか?

買い物や観劇とあわせて街の華やぎも楽しみたい日は銀座、食事そのものに時間をかけて静かに過ごしたい日は奥赤坂が合う傾向があります。優劣ではなく、夜の過ごし方の違いで選ぶ方が多いようです。

路地の小さな鮨店は初めてでも入りやすいですか?

気負わなくて大丈夫です。看板が控えめな店が多いので、事前に地図で入口の目印を確かめ、予約の五分前ほどに着くようにすると落ち着いて入れます。暖簾が出ていれば、たいてい営業中の合図です。

奥赤坂の鮨店に服装の決まりはありますか?

厳密な決まりを設けていない店が多いようです。カウンターでは香りの強い香水を控える方が多く、落ち着いた普段着のきれいめな装いなら安心して過ごせます。

ガイドから、カウンターへ

奥赤坂の八席のカウンターで、味わう。

江戸前の仕事に、ていねいな熟成を。一貫ずつ、その日の最良を握ります。海外のお客様には英語でご案内します。

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カウンターに立つ奥赤坂 鮨 淡師 店主 髙田 達央

監修

江戸前の伝統に学び、九州に根を持つ髙田 達央が、東京・奥赤坂の八席のおまかせカウンターに立ちます。The Tokyo Sushi Guide の監修者です。

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