鮨屋でアレルギーや苦手なネタを伝える方法|予約時が肝心

The Tokyo Sushi Guide の特集 監修|髙田 達央(奥赤坂 鮨 淡師 店主) 更新 読了 約6分

鮨屋でのアレルギーや苦手なネタは、当日カウンターで伝えるより、予約の時点で伝えるほうが確実に届きます。おまかせは、注文を受けてから献立を決める食べ方ではないからです。この記事では、予約時の書き方、鮨で見落としやすい原材料、当日に伝える手順、日本酒を飲まないときの伝え方までをまとめます。気負わなくて大丈夫です。伝えれば、たいていの店は静かに受け止めてくれます。

結論から

アレルギーと苦手なネタは、予約の時点で伝えるのが最も確実です。おまかせの鮨屋は数日前から魚を仕入れて仕込みに入るため、当日カウンターで伝えるより、事前のほうが献立を無理なく組み替えられます。

この記事でわかること

  • 予約の要望欄に一行書き添えるだけで伝わる理由
  • 「苦手」と「食べられない」を分けて伝える言い方
  • 醤油、煮きり、ツメなど、ネタの名前では見えない原材料
  • 当日カウンターで伝えるなら、握りが始まる前という目安
  • 日本酒を飲まない場合と、同伴者ごとに分けて伝える書き方
目次

伝えるのは予約の時点。当日より前が確実です

おまかせの鮨屋は、席に着いてから献立が決まるわけではありません。多くの店は数日前から魚を仕入れ、締め、漬け、熟成といった仕込みを進めています。一貫の構成は仕入れの段階で大枠が決まっているため、当日になって「これは食べられない」と伝えると、代わりの一貫を用意しにくい場面が出てきます。

肝心なところ: アレルギーと苦手なネタは、席を押さえるその場で伝えるのがいちばん確実です。

予約の要望欄に一行書き添えるだけで十分です。電話でも構いません。伝え漏れが気になるなら、来店の数日前にもう一度連絡しても迷惑にはなりません。むしろ、仕入れの前に分かるほど店は動きやすくなります。八月なら新子、鱚、鮑といった夏の魚が並ぶ時期です。貝が苦手なら、早めに伝えておきたいところです。

伝わる言い方、伝わりにくい言い方

伝え方でつまずくのは、遠慮して曖昧にしてしまうときです。「あまり得意ではないのですが、大丈夫です」という言い方は、職人には判断がつきません。避けるべきなのか、少量なら出してよいのか。そこが分かれ目になります。

伝えたいこと伝わりにくい言い方伝わりやすい言い方
甲殻類のアレルギーえびは苦手でえびとかにはアレルギーで、食べられません
苦手だが少量なら食べられる青魚はちょっと光り物は少なめだと嬉しいです。一貫なら大丈夫です
生では口にできない生ものが苦手で生の貝類は避けていただけますか。火が入ったものは大丈夫です

違いは、程度と理由が添えてあるかだけです。ここが分かれば、職人は「代わりに何を出すか」を先に考えられます。丁寧に濁すより、はっきり言うほうが親切に届きます。

鮨で見落としやすい原材料

アレルギーは、ネタの名前だけでは伝わりきらないことがあります。醤油には大豆と小麦が使われ、江戸前のカウンターで刷かれる煮きり(醤油に酒やみりんを合わせて煮切ったもの)にも同じものが入ります。玉子、干瓢巻の煮汁、穴子に塗るツメも、素材まで遡ると見え方が変わります。甲殻類は、えびやかにの一貫だけでなく、だしや軍艦の具に含まれることもあります。

素材の名前で伝える

そのため「醤油が使えません」「卵が使えません」と素材単位で伝えると、確実に届きます。重い症状の心配がある場合は、対応できるかどうかを含めて事前に相談しておくと安心です。仕込みの都合で対応が難しいと返す店もありますが、それは無責任に引き受けないという誠実な返答です。

日本語で細かく伝えるのが難しい方が同席する場合は、英語で食材や文化の背景まで案内できる店もあります。鮨 淡師のように、海外から訪れる方への説明を用意している店を選んでおくと、当日のやりとりが楽になります。

苦手なネタを言うのは、わがままではありません

苦手なネタを伝えるのは気が引ける、と感じる方は多いようです。おまかせは職人に委ねる食べ方だから、注文をつけるのは失礼にあたるのではないか。そう考えるのは間違いではありませんが、カウンターに立つ側から見ると、無理に食べて残されるほうが本意ではない、と語られることがよくあります。

実際によく挙がるのは、ウニ、いくら、光り物、赤貝などの貝類、白子やあん肝といった珍味です。一つ二つ外したところで、献立が痩せることはあまりありません。旬の魚は同じ時期に何種類も上がっていて、置き換えの余地があるからです。

ただ、避けたいものが十を超えるようなら、おまかせより、一貫ずつ選べるお好みの形を受ける店を探すほうが、お互いに気持ちよく収まります。

当日、カウンターで伝えるとき

予約時に言い忘れた、当日に体調が変わった。そういうときも、伝える機会はあります。目安は、握りが始まる前です。

  1. 席に着いた直後おしぼりや茶が出るころに一言添えると、最初の仕込みが動く前に伝わります。
  2. 最初の一貫より前献立は前半のつまみから動き出すため、早いほど組み替えの余地が残ります。
  3. 予約で伝えてある場合も確認のつもりでもう一度伝えておくと、担当者が替わっていても行き違いが起きにくくなります。
  4. 途中で気づいたら慌てずに、次の一貫が握られる前に伝えます。黙って残すより、その場で言うほうが双方にとって収まりがよくなります。

声を張る必要はありません。八席ほどのカウンターは職人との距離が近く、普段の会話の声量でそのまま届きます。

日本酒を飲まないとき、連れがいるとき

酒を飲まない、飲めない、その日は控えたい。どれも伝えて構いません。一貫ごとに酒を合わせる提案をしている店では、酒の流れを前提に順番を考えていることがあるため、飲まないと分かっていれば、茶や別の飲み物を先に用意できます。

淡師では、店主が全国の酒蔵を訪ね、造り手の考えや土地の個性を知ったうえで銘柄を選ぶという考え方で仕事をしています。日本酒を鮨を完成させるものとして扱う店は少なくありませんが、飲まないことが不作法になるわけではありません。

連れがいる場合は、人数ごとに分けて書きます。「二名のうち一名が甲殻類のアレルギー」と伝われば、席ごとに出し分けができます。体調や事情で生ものを控えたいときも、同じように事前に伝えれば、火を入れた仕立てに寄せてもらえることがあります。

よくあるご質問

アレルギーはいつ伝えればいいですか

予約するその場で伝えるのが最も確実です。おまかせの店は数日前から魚を仕入れて仕込みに入るため、仕入れの前に分かっているほど、無理のない形で献立を組み替えられます。予約の要望欄に一行書き添えるだけで十分です。

苦手なネタを伝えるのは失礼になりませんか

失礼にはあたりません。おまかせは職人に委ねる食べ方ですが、無理に食べて残されるより、先に聞けたほうが助かる、と語られることがよくあります。「苦手なので避けたい」のか「一貫なら大丈夫」なのか、程度まで添えると伝わりやすくなります。

予約サイトの要望欄に書けば、当日ちゃんと伝わりますか

多くの場合は伝わりますが、席に着いたときにもう一度口頭で確認しておくと安心です。担当者が替わっていることもあります。念押しを嫌がられることは、まずありません。

わさび抜きはお願いできますか

伝えれば対応する店が多い頼み事です。江戸前の握りはシャリとネタの間にわさびを入れるため、抜く場合は一貫ごとに手順が変わります。当日に急に頼むより、予約時に伝えておくほうが、握りの流れを乱さずに済みます。

ガイドから、カウンターへ

奥赤坂の八席のカウンターで、味わう。

江戸前の仕事に、ていねいな熟成を。一貫ずつ、その日の最良を握ります。海外のお客様には英語でご案内します。

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カウンターに立つ奥赤坂 鮨 淡師 店主 髙田 達央

監修

江戸前の伝統に学び、九州に根を持つ髙田 達央が、東京・奥赤坂の八席のおまかせカウンターに立ちます。The Tokyo Sushi Guide の監修者です。

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