光り物とは|鯵・鰯・鯖・小肌を酢締めの深さで読み解く

監修|髙田 達央(奥赤坂 鮨 淡師 店主)

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光り物は、鯵・鰯・鯖・小肌のように、銀色に光る皮を残したまま握る魚の総称です。四つとも脂が多く傷みが早いため、塩と酢でどこまで締めるかという判断が、そのまま味に出ます。この記事では四つの魚を締めの浅い順に並べ、それぞれの仕事と十月の季節感を整理します。

結論から

光り物は、皮の銀色を残して握る鯵・鰯・鯖・小肌などの総称です。鯵と鰯は生か浅い締め、小肌は塩と酢で締め、鯖は塩をしっかり当てて酢で締めます。魚ごとに締めの深さが異なり、その加減に職人の判断が表れます。

この記事でわかること

  • 光り物と呼ばれる魚の範囲と、青魚との違い
  • 鯵・鰯・小肌・鯖を締めの深さで並べた一覧
  • 小肌の塩と酢の時間が一尾ごとに変わる理由
  • 締め鯖の仕事と、秋鯖が脂をのせる十月の季節感
  • カウンターで光り物を味わうときの気楽な心得
目次

光り物とは何か

光り物は、皮目の青や銀の光を残して握る魚をまとめた呼び名です。代表は鯵・鰯・鯖・小肌の四つで、店によっては秋刀魚や細魚を数えることもあります。いわゆる青魚と重なりますが、光り物は鮨の仕立て方から生まれた言葉です。

四つとも身がやわらかく脂が多く、水揚げから時間がたつと香りが立ちやすい魚です。そのため塩と酢の加減一つで仕上がりが大きく変わり、光り物には職人の腕が出ると言われてきました。

締めの深さで並べる四つの魚

締めの浅いものから深いものへ並べると、四つの魚の違いが見えてきます。仕事の中身は店ごとに幅があるため、ここでは江戸前のカウンターでよく見られる形を挙げます。

魚締めの深さ主な仕事十月の様子
鯵浅い(生で握ることが多い)皮を引き、おろし生姜や浅葱を添える夏が盛りで、秋も脂の残るものが多い
鰯浅い(生か、ごく軽い酢洗い)身が崩れやすく、手早く仕込む梅雨の入梅鰯が知られ、秋にも脂ののったものが出回る
小肌中ほど(塩と酢で締める)大きさと脂を見て、塩と酢の時間を変える新子の季節を過ぎ、身に厚みが出てくる
鯖深い(塩をしっかり当て、酢で締める)締め鯖にし、薄皮をむいて銀色を見せる秋鯖として脂がのりはじめる

鯵と鰯は、締めずに鮮度で握る

鯵と鰯は、締めずに生で握ることが多い魚です。酢を使う仕事が少ない分、仕入れの鮮度と、おろしてから握るまでの手早さがそのまま味になります。

鯵にはおろし生姜や浅葱を少しのせ、脂の香りを引き締める形がよく見られます。鰯は身が崩れやすいので、さっと酢にくぐらせて表面だけを締める職人もいます。

小肌は、塩と酢の加減が一尾ごとに変わる

小肌は、塩で水分と余分な香りを抜き、水で洗ってから酢に漬けて締めます。同じ日に仕入れた小肌でも大きさや脂ののりは揃わないため、塩と酢の時間を一尾ずつ見て変えるのが普通です。

肝心なところ: 締めの時間は決まった数字ではなく、その日の魚の大きさと脂で変わります。

夏の新子の季節を過ぎ、十月の小肌は身に厚みが出てきます。酢締めの魚は赤酢のシャリとよく合うとされ、たとえば鮨 淡師では赤酢と米酢を合わせ、性質の異なる二種類の塩を使い分けたシャリを用いています。

鯖は、塩でしっかり締めて酢で仕上げる

鯖は四つのなかで、もっとも深く締めることが多い魚です。塩をしっかり当てて身の水分を抜き、酢で表面を白く締めたものが締め鯖です。仕上げに薄皮を手でむくと、銀色の皮目がきれいに現れます。

締め加減には店ごとに幅があります。中心に生の色を残す浅めの仕立てを好む職人もいれば、昆布を合わせて旨みを重ねる職人もいます。秋鯖と呼ばれるとおり、十月は脂がのりはじめる時期です。

カウンターで光り物を味わうために

光り物は、白身と赤身のあいだなど、コースの中ほどに出されることが多い鮨だねです。煮きりや薬味がすでにのった状態で出てくるので、そのまま口に運ぶ方が多いようです。

青魚の香りが気になる方は、予約の際にひと言添えておくと、店も献立を組みやすくなります。気負わなくて大丈夫です。酢で締めた魚には、酸のある日本酒を合わせると輪郭がはっきりすると感じる方も少なくありません。

淡師では、血抜きや仕立てを目的ではなく手段と捉え、その魚に合った手を施して一番おいしい瞬間を見極めるという考え方で仕事をしています。光り物の塩と酢の加減も、魚ごとの見極めが問われる仕事です。

よくあるご質問

光り物とはどの魚のことですか

皮の銀色を残して握る魚の総称で、鯵・鰯・鯖・小肌が代表です。店によっては秋刀魚や細魚を含めることもあります。

光り物が生臭く感じるのはなぜですか

脂が多く、時間がたつと香りが立ちやすい魚だからです。鮮度や、塩と酢による締めの加減で印象は大きく変わります。苦手な方は予約の際に伝えておくと安心です。

締め鯖と鯖の握りは同じものですか

江戸前の鮨店で出る鯖の握りは、塩と酢で締めた締め鯖を使うことが多いです。締めの深さや昆布を合わせるかどうかは店によって異なります。

光り物の旬はいつですか

魚によって異なります。鯵は夏が盛りで、鰯は梅雨の入梅鰯が知られています。小肌は夏の新子のあと秋に身が厚くなり、鯖は秋から冬にかけて脂がのります。

ガイドから、カウンターへ

奥赤坂の八席のカウンターで、味わう。

江戸前の仕事に、ていねいな熟成を。一貫ずつ、その日の最良を握ります。海外のお客様には英語でご案内します。

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カウンターに立つ奥赤坂 鮨 淡師 店主 髙田 達央

監修

江戸前の伝統に学び、九州に根を持つ髙田 達央が、東京・奥赤坂の八席のおまかせカウンターに立ちます。The Tokyo Sushi Guide の監修者です。

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